皆さんこんにちは、メカニックの石井です。いつもはサービス事務の安髙さんが記事を書いていますが今回は久しぶりに私が記事を書いていきます。
11月も終わりに近づき、夜は冷え込む事が多くなってきました。10月にエルニーニョ現象が発生し、今年は暖冬になるかも なんて言われていますがどうなんでしょう?私は大の寒がりなので、暖冬だろうと寒冬だろうと、万全の寒さ対策をして今年の冬に挑んでいきたいと思います!皆さん体調の方は崩されてないですか?私の回りでもインフルエンザやウィルス性胃腸炎で体調を崩してしまった方がいます。季節の変わり目は調子を崩しやすいので、いつも以上に体調に気を遣う必要がありそうですね。(実は私もこないだウィルス性胃腸炎で会社を休んでしまい、スタッフのみんなに心配とご迷惑をかけてしまいました。)
しかし、マイナスなことばかり言っていてはいけません!冬と言えば“仲間とアクティブにウィンタースポーツ” “恋人と一緒に見に行く綺麗なイルミネーション” “家族で過ごすクリスマスやお正月” 冬はイベント盛りだくさん! 皆さん冬を楽しんで行きましょうね!
さて、それではこの辺で本題に入って行きましょう。
今回の車両はF30 アルピナD3ビターボです!少しだけ車両スペックを紹介していきますね。
N57エンジンをベースにアルピナがチューニングを施しています。
・最高出力350馬力/4000rpm
・最大トルク71.4kgm!
・0-100km/h 4.6秒
・最高巡航速度278km/h
数字ばかりで分かりにくいかもしれませんが、物凄い動力性能です!
車のパフォーマンスを見るのについ馬力にばかり目が行きがちですが、この車両トルクが凄いんです。皆さん普段、車を走らせる中で最高出力を発揮させる場面ってありますか?多分ほとんどの方が無いんじゃないかと思います。この車は乗り手を選ばず、どんな方でも最高のパフォーマンスを体感できるトルク特性を持っています。スタートダッシュの強力な加速は、0発進でものすごく感じられます。ディーゼルと思えぬレスポンスは、流石はアルピナです。
そのアルピナのD3ビターボのリアハブを交換していきます。F30のリアハブベアリング交換は今回初めて作業しました。(初めての作業なのでちょっと楽しみです) いつもの様にドライブシャフトを外して、SST(特殊工具)を使って、さあ交換しよう!と思ったら、デフにドライブシャフトがそのまま刺さっているじゃないですか!先代のE90まではデフのサイドフランジにドライブシャフトがボルト止めされているんですが、今回はそううまくは行かないみたいです。(涙)
という訳で作戦変更です!
ドライブシャフトは車両側に残して、ナックルごと取り外しました。(写真が暗くてスミマセン)ドライブシャフトはハブベアリングに刺さっていて、それを抜くのですが、新しい車両という事もあってすんなり抜くことが出来ました。(よかった!)E36位の年式の車だと錆等の影響で固着していて、巨大なハンマーを何度もフルスイングしてドライブシャフトを抜くなんてのがあたりまえです。固着が酷い車はほんと、ありえない位抜けません。
そんな時は工場長パワーで抜いてもらっちゃいます。整備は技術力が大事なんですが、パワーが無いと出来ないこともたまにあります。ほんとに稀ですけどね。
これが取り外したナックルです。真ん中の穴の部分にドライブシャフトが刺さる部分で、ここがベアリングになっています。このベアリングがダメになると、ガタが出てきたり、走行中ゴーゴーと異音が出たりします。異音はタイヤのロードノイズと間違いやすいんですが、タイヤの音は空気を伝わってくるフワフワした感じ、ベアリングの音はボディーの金属部分を芯から伝わってくる感じがします。(わかりにくいですか?私的にはですよ!)
あとは、走行時の荷重のかけ方による音の変化や最終的にはリフトアップして、タイヤをまわし、サウンドスコープ(聴診器みたいな工具)で音を聞いて確実な判断をしていきます。(さすがトルク70kgm以上の車両!丈夫なベアリングがいくのもうなずけます。)
今回はあからさまに物凄い異音がしていたので、ほぼほぼリアハブベアリング不良確定でした。
ここまできたら、油圧プレスでベアリングを交換していきましょう(写真はベアリングを抜いている所です)SSTを使って筋肉痛になりながら頑張る必要が無いので逆に楽ちんです!サクサクいけちゃいます。
そしてこちらの写真がベアリングを圧入している所です。圧入も油圧プレスの力をかりてサクサクいけちゃいます。工具のありがたさを感じます。工具大好きです。(笑)
ちなみにこの圧入作業は今回のリアハブベアリング交換の作業の中で一番緊張する部分です。斜めに入ったりしてベアリングを一度抜いてから再度圧入するなんてのはNGなので失敗は許されません!
ハブのアウトプットフランジも無事圧入できたのでこれを車両に取り付けて、あとは元通り組み上げていきます。
最後に試運転をして最終チェックをしていきます。無事異音も出ていません。
これで作業終了です!!
今回はいつもと違って現場目線で作業の紹介をさせて頂きました。
F系でハブベアリングから異音が出るのはちょっと珍しい事例かなと思います。アルピナという高出力モデルだからベアリングにかかる負担が大きかった事が原因の一つかもしれません。とにもかくにもスムーズに行かない場面もありましたが、無事修理が終わってホッとしました!
つたえファクトリーでは旧車から現行モデル、Mからアルピナまで何でも修理させて頂いています。お車で何か気になる所がありましたら、是非お気軽に遊びに来てくださいね!
それではまた、次回の記事もお楽しみに!!!